約半数の飲食店でアルバイトが退職。コロナ禍の長引く売上減で現状の雇用維持も厳しく

飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」(https://www.inshokuten.com/research/company/)を運営する株式会社シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤代真一、東証一部:3963)は、飲食店.COM会員を対象に、コロナ禍における飲食店の雇用と採用状況についてアンケート調査を実施いたしました。

<本調査について>
■調査概要

調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:535名
調査期間: 2020年8月19日~2020年8月20日
調査方法:インターネット調査

■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち66.4%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は59.6%(首都圏の飲食店の割合は74%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。 

<調査結果について>
■各地の要請も影響してか、64.1%が営業時間を短縮。閉業店舗は7月よりわずかに増加

国内の新型コロナウイルスの新規感染者数はピークを越えたといわれるものの、外食需要の低下は変わらず、飲食店の経営は依然として厳しい状態です。そのため多くの飲食店では、食材費や人件費をはじめ、様々なコストの削減が試みられています。しかし人件費の圧縮を検討すれば、雇用や採用状況にも何らかの影響が及ぶと想定されます。そこで今回は、現在の飲食店における雇用や人材の採用状況について調査を実施、はじめに営業状態や売上の変化について質問いたしました。

まず、現在の営業状態について聞いたところ(複数回答可)、「営業時間を短縮、または調節して営業」が最も多く64.1%、次いで「通常通りの営業時間で営業」(29.2%)、「テイクアウト・デリバリー販売を継続中」(26.5%)と続きました。約6割の店舗で営業時間の短縮が行なわれていたことに関しては、東京都をはじめ、大阪府や愛知県などの一部地域に出された短縮営業要請が大きく影響していると考えられます。

通常の営業時間で営業している店舗は、短縮営業の再要請前(7月20日~ 7月21日に調査)の調査データ(「通常通りの営業時間で営業」52.6%)と比較すると約2割減少しています。また、テイクアウトやデリバリーについては再要請前のデータ(26.3%)とほぼ同率となっており、一定数の店舗においては新たな販売チャネルとして定着しつつあることがわかります。

一方、「閉業を検討している」(5.4%)、「閉業した」(1.3%)という回答結果について、7月20日~21日に行なった調査データ(「閉業を検討している」3.9%、「すでに閉業した」0.9%))と照らし合わせると、検討段階も含め、わずかに閉業店舗が増加していることが明らかとなりました。

 


続いて2020年7月の売上昨年対比を聞いたところ、最も多かった回答は「前年同月より50%減った(17.8%)」となり、次いで「30%減った(17%)」、「40%減った(13.6%)」、「70%以上減った(13.5%)」、「20%減った(11%)」という回答が得られました。7月に実施した調査 (6月の昨年対比)では「半分以上減った」と回答した店舗が42.3%だったことと比較すると、緩やかではあるもののやや回復してきていたことがわかります。


■約半数の店舗でアルバイトが辞めているも、7割の店舗が新規採用を行っていない
売上が伸び悩む中、無駄なコストを省きつつ従業員の雇用をいかに守るかは、ひとつの大きな課題となります。4月の緊急事態宣言以降、既存の従業員(正社員・アルバイト)の雇用状況に変化があったかどうか聞いたところ、「正社員もアルバイトも変わらない」との回答が最多で48.6%でした。しかし、「正社員は変わらないが、アルバイトが減った(26.5%)」、「正社員もアルバイトも減った(22.2%)」という回答から、半数近くの店舗でアルバイトスタッフが辞めている現状も見えてきます。


あわせて新規の採用状況について尋ねると、「正社員もアルバイトも採用していない(72.1%)」との回答が7割近くを占めるという結果に。こうしたところからも、今は既存従業員の雇用を守るだけで精一杯という状況が見えます。


また今後の予定も含め、緊急事態宣言の前後で採用基準を見直したかという質問については、65.6%が「以前と変わらない」と回答。「以前より基準を下げる」と答えた店舗は9.9%と1割程度でした。


さらに今後活用しようとしている採用手法について聞いたところ(複数回答可)、最も多かった回答が「アルバイト求人媒体」で42.1%、次いで「正社員求人媒体(23.2%)」、「自社採用ページ(18.5%)」と続きました。

募集媒体に関しては、やはりインターネットや情報誌など時間や場所を限定しないメディアが活用されやすく、ことコロナ禍においてはそれが顕著だったものと見られます。また雇用形態に関しては「アルバイト」が特に求められており、人件費はなるべく抑えつつ、営業時間規制などにも柔軟に対応できる人材を採用したいという意図が感じられました。


■売上減少で雇用の維持が難しく。従業員のモチベーション低下や心身ケアも課題に
新型コロナウイルスの感染拡大は未だ収束の目途が立たず、飲食店は今後も厳しい対応が求められる見込みです。この事態を切り抜けるためには、比較的少ない収益からいかに利益を出すかが鍵になるゆえ、適切なコストの削減を行う必要があります。そこで雇用や採用についての質問に絡め、人件費を抑えるために取り組んでいる工夫について聞いたところ、従業員のシフトや営業時間の調整をはじめ、調理工程の見直し、セルフサービスの導入によるオペレーションの省人化など、様々な対策を行っていることがわかりました。

<回答抜粋>
アルバイトの出勤時間の短縮調整、売上の悪い時間帯の営業短縮 (東京都/鉄板焼き・お好み焼/6~10店舗)

アルバイトを積極採用して、正社員比率を下げて、人件費単価を下げる方向性 (東京都/その他/11~30店舗)

正社員の休みを増やし、雇用調整助成金を毎月申請してる。 (東京都/イタリア料理/1店舗)

複数の仕事をアルバイトにも覚えてもらい時間あたりの人数を減らす (東京都/カフェ/1店舗)

営業時間短縮、セルフオーダーシステムの導入を行った(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

シフト調整、調理工程の見直し、作り置きメニューを増やした (埼玉県/イタリア料理/2店舗)

営業時間の見直しと家族に手伝ってもらいカバーしている (神奈川県/イタリア料理/1店舗)

最後に、現状の人材や雇用に関する悩みを自由回答で聞いたところ、売上が低迷している中で雇用を維持することの難しさや、従業員のモチベーションの低下、健康への責任などに頭を抱えている様子が見えてきました。

<回答抜粋>
雇用を維持したいが売上が足りない (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

売上が減っているので給料を出すのが難しい。現時点は補助金でなんとかしているが来年どうなっているか分からない。 (東京都/フランス料理/1店舗)

混雑時の見込みが読めないため、シフトの適正化を図るのが困難である。 (東京都/イタリア料理/1店舗)

売上ダウンに伴い、従業員のモチベーション維持が困難になった (神奈川県/ラーメン/2店舗)

苦労して感染予防対策は施していますが、従業員の健康を守るのが難しい。 (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

給与について100%休業補償をしているが、出勤している人とそうでない人、アルバイトと社員の間などで亀裂が入っている状態。また、売上が低迷しているので、不安や気持ちの落ち込みなどの症状がみられるスタッフも多い。 (神奈川県/カフェ/31~50店舗)

私生活まで監視出来ないので、いつ誰が陽性になるかわからないという疲弊感がある。 (東京都/テイクアウト/2店舗)


■調査結果の引用時のお願い
本調査結果の引用時には、以下のご対応をお願い申し上げます。
・クレジットに、「飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ」と明記ください。
・WEB上で引用いただく際には、「飲食店リサーチ」( https://www.inshokuten.com/research/company/)へのリンク付与をお願いいたします。

<問い合わせ先>
■飲食店リサーチについて

・URL:https://www.inshokuten.com/research/company/

「飲食店リサーチ」は、飲食店に特化したリサーチサービスです。飲食店出店者・運営者に対してアンケートを実施し、マーケティングデータを取得することが可能です。飲食店向けの新しい商品・サービスの企画や食品・飲料の研究・開発等の際に、ニーズの把握・データの裏付けといった様々な形で、マーケティングデータを活用いただけます。 

<シンクロ・フードの直近の飲食店支援の取り組み>
シンクロ・フードでは新型コロナウイルスによる外食業界への影響を鑑み、飲食店の皆さまの店舗運営の一助となるべく新サービスの提供、キャンペーンの実施などを行っております。

■テイクアウト導入支援ツール「テイクアウトサポート」の提供を開始
https://www.inshokuten.com/menu/

■コロナ禍で応募数前年比がバイトで3倍、社員で1.8倍に急増
https://www.inshokuten.com/recruit/


■株式会社シンクロ・フードについて
当社は “食の世界をつなぎ、食の未来をつくる”を経営理念としており、「飲食業界に関わる人々をつなぎ、幸せにしていきたい」という想いを社名に込め、当社を設立いたしました。インターネット、テクノロジーの力を最大限に活用し、飲食店の出店開業・運営に必要な「ヒト・モノ・サービス」をタイムリーに結びつけ、今後も食に関わる人々から必要とされるサービスを提供し続けることで、飲食業界の労働生産性を向上させ、業界全体のさらなる発展、成長に貢献したいと考えております。

【本社】 東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 恵比寿サウスワン7階
【代表者】 代表取締役 藤代 真一
【上場市場】 東京証券取引所市場第一部
【URL】 http://www.synchro-food.co.jp/
【運営サイト】
飲食店の出店・運営支援サイト「飲食店.COM」(https://www.inshokuten.com/
飲食業界専門の求人サイト「求人@飲食店.COM」(https://job.inshokuten.com/
食材仕入業者情報提供サイト「食材仕入先探し」(https://www.inshokuten.com/supplier/
オンライン食材発注ツール「PlaceOrders」(https://www.inshokuten.com/placeorders/
店舗デザインのポータルサイト「店舗デザイン.COM」(https://www.tenpodesign.com/
食の世界をつなぐWebマガジン「Foodist Media」(https://www.inshokuten.com/foodist/
飲食店専門のM&Aサービス「飲食M&A」(https://www.inshokuten.com/ma/
居抜き店舗の買取査定サイト「居抜き情報.COM」(https://www.inuki-info.com/


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