閉店しやすい飲食店の特徴は!?居抜き情報.COMが過去に閉店した飲食店の傾向の調査結果を発表![2014-2016年版]

店舗の撤退・移転を考えている方々に対し、店舗の査定サービスや飲食店.COMを通じて店舗の売却先を探せるサービスを提供する「居抜き情報.COM(運営:株式会社シンクロ・フード)」(https://www.inuki-info.com/)が、過去3年間で閉店した飲食店の傾向を調査しました。
「閉店しやすい飲食店は、”店舗の広さは小規模(20坪未満)、最寄り駅から徒歩5分以内の立地で、営業年数は2年以内のお店”」という傾向があることが分かりました。

株式会社シンクロ・フードでは、「飲食店.COM(http://www.inshokuten.com/)」を通じて飲食店の出店や運営の支援をおこなっています。
また、飲食店のライフサイクルをサポートするという目的のもと、飲食店の閉店や移転がトラブルなく行えるようにサポートをしています。
しかし、これらの事業を運営する中で、戦略的ではない閉店が非常に多く存在し、またそれらが増加してきていることを感じていました。
閉店するには様々な要因がありますが、閉店する飲食店の傾向や特徴を把握し、「それらに応じた対策を開業前から施しておくことで、閉店に繋がるマイナス要素を少しでも減らすことができるのでは?」と考えています。

今回は、上記の様な背景から閉店する飲食店の傾向を分析しました。
「営業年数別」「店舗の広さ別」「立地別(最寄り駅からの距離)」、この3つの軸から調査を行いました。調査の詳細は以下の通りです。

※2014年~2016年に居抜き情報.COMによせられた問合せの中から、店舗の営業年数別に割合を取得。
※N=3046

■営業年数別の閉店割合
1年未満:37.5%
1~2年:26.1%
3~5年:13.9%
6~10年:14.1%
11年以上:10.2%

営業年数

営業年数別に見ると、閉店する飲食店の営業年数は、半数を超える60%以上が2年以内ということになります。

2014年から2016年の間の推移では、2015年に営業年数1年未満が大きく増えたものの、2014年と2016年の割合はほぼ同水準であり、この3年間では、営業年数別の数値に大きな変化は生じていません。
ただ、閉店する理由として、「人材難」という理由も挙がるようになってきており、今後の動向に注目していく必要があります。

■店舗の広さ(坪)別の閉店割合
10坪未満:5.2%
10~20坪:47.5%
20~30坪:28.4%
30~40坪:9.8%
40~50坪:4.0%
50坪以上:5.0%

店舗の広さ

広さ別に見ると、20坪以下の店舗が52.7%を占めています。飲食店の場合、20坪以下の店舗の割合が多いため、この数値だけで小規模な店舗の閉店率が高いということは言えません。
しかしながら、30坪までの店舗も含めて、中小規模の店舗の閉店割合は、この3年間で緩やかに上昇しています。

■立地別(最寄り駅からの距離)の閉店割合
徒歩1-2分:35.5%
徒歩3-5分:37.8%
徒歩6-10分:18.6%
徒歩11-15分:4.8%
徒歩1-2分:3.4%

立地

立地別(最寄り駅からの距離)に見ると、最寄り駅から5分以内での店舗の割合が73.3%とかなり高い割合を占めています。
この割合に関しても、駅近くに所在する店舗は相当数あると考えられるため、この数値だけで閉店率を判断することはできません。
しかしながら、駅から徒歩5分以内に所在する飲食店の割合は3年間で上昇傾向にあり、駅近くの飲食店が必ずしも有利ではない傾向が出てきているかもしれません。

■閉店率の高い飲食店の傾向と閉店率が高くなる仮説
上記のデータ分析の通り、「”店舗の広さは小規模(20坪未満)、最寄り駅から徒歩5分以内の立地で、営業年数は2年以内のお店”」が閉店の割合が高く、小規模であることと、徒歩5分以内の立地であることについては緩やかに増加傾向と言えます。
なぜ上記の傾向の飲食店が閉店するのか。当社では下記のような飲食店を取り巻く環境や状況が影響しているのでは、と考えています。
飲食店の売上は、通販やテイクアウト販売を行わない限り、多くは店舗の広さで決まります。昨今は人件費や牛肉などの一部の食材費が増加傾向にあり、売上は変わらないが、コストが増加していることが考えられます。また、駅に近い店舗の場合は、もともと賃料が高く、損益分岐点が高いため、そのような状況下では収益率が低くなってしまいます。

■閉店に繋がる要素の整理と適切な閉店に関する情報
以上のように、原因を把握しておくことで対策を適切に施すことが可能です。
「駅前に出店=売上が上がる」という考え方だけでなく、出店の際に「損益分岐点を超える立地を探すこと」や出店後も「店舗周辺のターゲット層を読むこと」ことがますます重要になってきます。
また、食材仕入れや採用コストを効率化していく重要性も増していくものと思われます。
それでもやむを得ず閉店をする際には、居抜きでの店舗売却や、事業譲渡や店舗単位でのスモールM&Aなど、タイミングや手法を適切に選択し、閉店時の金銭的な負担や工数の負担を下げることも重要になってきます。
今後も、飲食店.COMや居抜き情報.COMでは、閉店のマイナス要素を減らすために開業前に知っておくべきことや、閉店時に役に立つデータを集約していき、開業者や店舗運営者のサポートをさらに強化していきたいと考えています。


●開業に役立つ情報が満載:飲食店.COM
●閉店時の相談・造作譲渡の売買:居抜き情報.COM

■調査のソースのページ
https://www.inuki-info.com/reports/detail/9204