中東情勢・ナフサ不足が飲食店・キッチンカー運営の約6割に既に影響 約半数が「代替品検討」「まとめ買い」などの自衛策を実施

飲食店の出店・開業・運営に役立つサービスをワンストップで提供する「飲食店ドットコム」を運営する株式会社シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:大久保俊、東証プライム市場:3963)は、「飲食店ドットコム」会員の飲食店経営者・運営者および、同社が運営するキッチンカーのプラットフォーム「モビマル」会員のキッチンカー事業者を対象に、昨今の中東情勢やナフサ不足による影響についてアンケート調査を実施いたしました。

■調査概要

項目 飲食店向け調査 キッチンカー事業者向け調査
調査対象 飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者) モビマル会員(キッチンカー事業者)
回答数 164件 59件
調査期間 2026年6月5日~6月11日 2026年6月8日~6月14日
調査方法 インターネット調査 インターネット調査
 

■回答者属性

飲食店の回答者のうち、61.6%が1店舗運営事業者です。さらに、店舗の所在地は52.4%が東京であり(首都圏での飲食店の割合は71.6%)、これらの背景が結果に影響していると推測されます。

<調査結果サマリー>

●飲食店の56.1%、キッチンカーの61.0%が「既に運営に影響が出ている」と回答
●飲食店では「食材・消耗品」、キッチンカーでは「包材・燃料」への影響が目立つ
●テイクアウト・デリバリー実施店舗では、「包材の価格上昇」が71.6%と最多。未実施店舗(8.0%)を大きく上回る
●飲食店の77.5%、キッチンカーの84.7%が今後の経営への影響を予測

飲食店・キッチンカーともに約6割が「既に運営に影響が出ている」と回答

まず、昨今の中東情勢やナフサ不足の影響が運営に既に出ているかを聞いたところ、飲食店では56.1%が「既に影響が出ている」と回答しました。
キッチンカーでは61.0%が「既に影響が出ている」と回答し、飲食店・キッチンカーともに約6割が既に影響を実感していることが分かりました。
中東情勢やナフサ不足による影響は、飲食業界全体に広がっていると考えられます。



飲食店では食材・消耗品、キッチンカーでは包材・燃料への影響が目立つ

「既に影響が出ている」と回答した事業者に具体的な影響を尋ねたところ、飲食店では「食材の価格上昇」(66.3%)、ラップ・洗剤などの「消耗品の価格上昇」(65.2%)、「包材の価格上昇」(54.3%)が上位となりました。一方、キッチンカーでは、「包材の価格上昇」(69.4%)が最も多く、次いで「燃料の価格上昇」(61.1%)、「食材の価格上昇」(52.8%)となりました。
飲食店とキッチンカーでは、影響を受けている項目に違いが見られ、特にキッチンカーでは、包材や燃料への影響が大きい傾向が見られました。



テイクアウト・デリバリー実施の飲食店では、包材・消耗品価格の影響が顕著

さらに、「既に影響が出ている」と回答した飲食店について、テイクアウト・デリバリーの実施有無で比較したところ、実施店舗(N=67)では「包材の価格上昇」が71.6%と最も高く、次いで「消耗品の価格上昇」(70.1%)、「食材の価格上昇」(67.2%)と続きました。
一方、テイクアウト・デリバリー未実施店舗(N=25)では「食材の価格上昇」(64.0%)、「消耗品の価格上昇」(52.0%)が上位となり、「包材の価格上昇」は8.0%にとどまりました。テイクアウト・デリバリーの実施有無によって、包材価格への影響度に大きな差が見られました。



 

飲食店・キッチンカーともに9割超が今後の影響を懸念

今後の店舗運営において不安な項目を尋ねたところ、飲食店、キッチンカーともに「食材の価格上昇」が最も高く、それぞれ72.0%、72.9%と約7割が回答しました。
飲食店では次いで「消耗品の在庫不足・納期遅延」(57.3%)、「燃料の価格上昇」(48.8%)が続きました。キッチンカーでは「包材の価格上昇」(66.1%)、「包材の在庫不足・納期遅延」(54.2%)が1位・3位となり、既に影響が出ている項目と同様、今後も包材への不安が際立っています。
なお、「特に不安なことはない」と回答したのは飲食店4.3%、キッチンカー1.7%にとどまり、9割超の事業者が今後の影響を懸念していることがうかがえます。



 

約半数が「代替品検討」「まとめ買い」などの自衛策を実施

中東情勢やナフサ不足への対策として実施していることを尋ねたところ、飲食店・キッチンカーともに「代替品・代替の運用方法の検討」「まとめ買い・在庫確保」が上位となりました。飲食店ではそれぞれ43.9%、42.1%、キッチンカーでは45.8%、52.5%と、両業態で約4〜5割が自衛策を講じています。
一方、「特に実施していることはない」と回答した事業者も飲食店24.4%、キッチンカー22.0%と約4分の1を占めました。



なお、必要な情報が「あまり得られていない」「全く得られていない」と回答した事業者は飲食店で65.9%、キッチンカーで71.2%にのぼり、情報収集面での課題も浮き彫りになりました。

 

飲食店・キッチンカーともに約8割が今後の経営への影響を懸念

最後に、今後の経営への影響度を尋ねたところ、「大きく影響を与えると思う」「やや影響を与えると思う」と回答した割合の合計は飲食店で77.5%、キッチンカーで84.7%と、両業態で約8割が今後の影響を見込んでいます。特にキッチンカーでは「大きく影響を与えると思う」と回答した割合が32.2%と飲食店(23.2%)を上回っており、より深刻に受け止めている傾向が見られました。



  さらに、前の質問に回答した理由を聞いたところ、飲食店・キッチンカーともさまざまな声が寄せられました。

 

<飲食店>

価格高騰・コスト増
・食材の価格上昇と共に消耗品及びエネルギー費用がアップしており、結果的に経営数値の悪化となっている。直近では価格改定(値上げ)で対応を検討しているが、どこまで経費増が続くか不安がある。(東京都/和食/6〜10店舗)
・LPG(プロパンガス)が顕著に高騰している。異物混入識別のビニール手袋の欠品。ナフサ由来製品の欠品と価格上昇。(東京都/和食/2店舗)
・一度値上がりした商品が簡単に値下がりするとも考えにくい。人件費やその他のコストも上昇しているなか、先行きが不透明。(青森県/居酒屋・ダイニングバー/3〜5店舗)

包材・消耗品の調達難
・ラップや真空パック等のビニール製品が既に1.5倍に高騰しており確保も難しくなっている。(東京都/フランス料理/1店舗)
・和食業態における台の物に使用する燃焼材が不足し始めている。メニューの大幅変更が全国的に必要となる可能性がある (東京都/その他/51~100店舗)
・現状、ラップや包装資材の入手に苦労している。今後さらに入手が難しくなった場合はデリバリーやテイクアウトを中止しなければならない。(東京都/ラーメン/3〜5店舗)

価格転嫁の難しさ・客足への影響
・メニュー値上げを検討しているが、お客様も普段の生活の買い物で高騰に苦労しているので飲食店離れが不安。(東京都/焼肉/3〜5店舗)
・最大の問題は価格高騰。簡単に値上げはできない状況下で、どこまで耐えるかの問題。(福井県/洋食/1店舗)

 

<キッチンカー>

包材・容器の調達難
・真空パック袋の不足。商品が包装できない。
・包材の不足で運営自体に危機感がある。ナフサ不足に関連した価格変更があるとすべてのオペレーションに影響がある。
・レジ袋が近隣にどこにもない状態で、すでに影響が大きい。このままの状況が続くと、さらに大きな影響が出始めると思う。

  コスト上昇による経営圧迫
・材料や包装資材、ガソリンの高騰により原価率が上がり、単価を上げざるを得なくなる。それにより売上の低下が考えられる。
・食材だけでなく、洗剤なども値段が上がってきている。経費は上がるが販売価格をこれ以上上げることができない。赤字傾向に陥ることが懸念される。

   

調査結果の引用時のお願い

・クレジットに「飲食店ドットコム(株式会社シンクロ・フード)調べ」と明記ください。
・WEB上で引用いただく際には、「飲食店リサーチ」 (https://www.inshokuten.com/research/company/)のリンク付与をお願いいたします。