【食料品消費税1%導入】飲食店の4割超が「店内飲食の客足・売上にマイナス影響」を予想 半数超がシステム・運用面の負担を懸念

飲食店の出店・開業・運営に役立つサービスをワンストップで提供する「飲食店ドットコム」を運営する株式会社シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:大久保俊、東証プライム市場:3963)は、「飲食店ドットコム」会員(飲食店経営者・運営者)を対象に、食料品消費税1%導入についてアンケート調査を実施しました。
政府は2026年8月、飲食料品の消費税率を2027年4月から2年間、現行の8%から1%へ引き下げる方針を閣議決定しました。一方、飲食店での店内飲食(外食)は標準税率10%のまま据え置かれるため、テイクアウトとの税率差は現在の2ポイントから9ポイントへと広がります。
本調査から得られた導入後の価格設定の方針や客足・売上への影響予想、システム・オペレーション面の負担、投資計画への影響について、飲食現場の受け止め方や声をご紹介します。

調査概要

調査対象 飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)
回答数 257件
調査期間 2026年9月25日~2026年9月27日
調査方法 インターネット調査
 

回答者属性

回答者のうち68.9%が1店舗運営の事業者です。また、店舗の所在地は50.6%が東京都、首都圏では65.4%を占めており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。なお、テイクアウト・デリバリーを実施している店舗は50.6%でした。

 

<調査結果サマリー>

●店内飲食の税込価格は、83.7%が「特に変更しない」と回答
●44.7%が、店内飲食の客足・売上に「マイナスの影響がある」と予想
●52.9%がシステム・オペレーション面の負担を懸念
●今後の投資計画は61.5%が「現時点ではわからない」と判断を保留

 

店内飲食は8割超が税込価格を「据え置き」。テイクアウトも約8割が変更せず

まず、食料品消費税1%の導入を受け、2027年4月以降の「店内飲食」の税込価格をどのように設定する予定かを尋ねたところ、「特に変更しない」が83.7%と大多数を占めました。「値上げする」は8.2%、「値下げする」は3.9%にとどまっています。



また、テイクアウト・デリバリーを実施している店舗(N=130)を対象に、「テイクアウト」の税込価格の設定予定を聞くと、「特に変更しない(消費税率8%時の価格を適用)」が77.7%となり、税率が下がっても現行の税込価格を維持する予定の店舗が多数派となりました。「値上げする」は10.8%、「値下げする」は8.5%でした。



4割超が、店内飲食の客足・売上に「マイナスの影響」を予想

続いて、食料品消費税1%導入によって、店内飲食の客足や売上にどのような影響が出ると予想するかを聞きました。「ややマイナスの影響がある」が31.1%、「非常にマイナスの影響がある」が13.6%で、合わせて44.7%が「マイナスの影響がある」と回答しました。「影響はない」は27.6%、「現時点ではわからない」は24.1%で、「プラスの影響がある」(「非常に」「やや」の合計)は3.5%にとどまりました。
なお、テイクアウト・デリバリーを実施している店舗では「マイナスの影響がある」が50.8%となり、非実施の店舗(38.6%)を12.2ポイント上回りました。



その理由について自由記述で尋ねたところ、以下のような声が寄せられました。

 

<マイナスの影響>

9%の税率差による割高感、中食・内食へのシフトを懸念
・9%の税率差は行動変容を起こしかねない(東京都/そば・うどん/2~3店舗)
・店内飲食が10%のままだと割高に感じ、コンビニランチや弁当持参者が増えると思うから。ただ、外食をやめない人もいるので非常にマイナスとは言えないと思う。(愛知県/カフェ/1店舗)
・当店はワーカーさん向けにランチ営業している為、売り上げが下がると考えています。テイクアウトやフードデリバリーは未実施ですが、この機会に導入も視野に入れています。(東京都/フランス料理/2~3店舗)

「外食控え」ムードを懸念
・実際は外食に対し税率を意識する方は低いと感じますが、メディアがお得にテイクアウトや中食ニーズを喚起することにより外食は無駄という印象付けを行われることが最も脅威かと感じます。(東京都/すき焼き・しゃぶしゃぶ/11店舗以上)
・テイクアウトがお得というマスコミの風潮に影響される消費者が一定数出る(東京都/バー/1店舗)

<影響はない>

店内ならではの体験価値、価格以外の来店動機
・うちはカフェですが、もともとお客様は店内でくつろぎながらいい雰囲気の中で飲食されるのが目的であり、単に飲食物を持って帰って別の場所で食べたい、と思う方は少ないと思うからです。(富山県/カフェ/2~3店舗)
・高単価の店のため、お腹を満たす以外(自分へのご褒美、記念日など)の利用動機があり価格の値上げさえしなければ客足に影響ないと考えます。(静岡県/フランス料理/1店舗)

半数超がシステム・運用面の負担を懸念。2年後の「税率の戻し」も負担に

食料品消費税1%導入(2年間の時限措置)に伴い、システム・運用面で負担に感じることを尋ねたところ、「2年後に再び税率が戻る際の手間・コスト(24.9%)」、「経理・税務申告の手間(23.7%)」、「商品価格表示の切り替え等の手間(22.6%)」が2割台で並び、「レジ改修・システム対応のコスト(17.9%)」が続きました。これら具体的な負担を1つ以上挙げた方は52.9%と半数を超えています。一方、「特段の負担感はない」は45.1%でした。
なお、テイクアウト・デリバリーを実施している店舗に限ると、具体的な負担を挙げた割合は63.1%に上ります。



レジシステム改修やメニュー表の再印刷等で見込む一店舗あたりの費用負担についても聞いたところ、「費用はかからない」が44.0%で最多でした。一方で34.6%が何らかの費用負担を見込んでおり、「1万円未満(14.8%)」、「1万以上5万円未満(11.3%)」が中心となりました。5万円以上を見込む店舗も8.6%あり、「わからない」も21.4%を占めています。



今後の投資計画、6割超が「現時点ではわからない」と判断を保留

食料品消費税1%導入が今後の投資計画(採用、設備、店舗展開など)にどのように影響するかを聞いたところ、「現時点ではわからない」が61.5%を占めました。「状況を見極めるため、投資・採用計画を『延期する(様子見する)』」が11.3%、「設備投資や人材採用などを『控える・減らす(凍結する)』」が5.4%で、合わせて16.7%が投資に慎重な姿勢を示しています。一方で「テイクアウト強化などのため、積極投資・採用を行う」も5.4%ありました。



「延期する」「控える・減らす」と回答した方(N=43)に、具体的に抑制・延期する投資を尋ねたところ、「厨房機器やIT・レジシステム等の設備投資の抑制」が46.5%で最多となり、「店舗の新規出店・リニューアルの見送り(41.9%)」が続きました。さらに「アルバイトの新規募集の縮小・停止」「販促・広告費の削減」(各34.9%)、「賃上げ・処遇改善の見送り・抑制(32.6%)」も3割を超えており、設備だけでなく採用や賃金面にも影響が及ぶ可能性がうかがえます。

  なお、「積極投資・採用を行う」と回答した方からは、「テイクアウト用の資材や設備等」「テイクアウトメニューを増やす」「試験的にデリバリーに登録」など、テイクアウト・デリバリー関連の投資を挙げる声が目立ちました。

現場の本音と国への要望。税率差や納税負担への不満、外食支援を求める声も

最後に、現場の立場からの本音や国への要望を尋ねたところ、以下のような声が寄せられました。

<店内飲食との税率差、2年間の時限措置に疑問の声>

・イートインのお店は消費税の支払いが増えるだけなので食料品と同率にしてほしい。2年間の時限措置など取らずそのまま続けてほしい。その度に負担が増えるだけ。(愛知県/イタリア料理/1店舗)
・短期の切り替えは、それに伴う変更すべき内容の手間を考えると、外食にとっては全く良い影響はない。(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/11店舗以上)

<納税負担の増加、資金繰りへの懸念>

・外食は変わらず10%のため、消費税の納税時に負担増が心配(東京都/バー/1店舗)
・景気対策なのか、低所得者支援なのか、目的が見えづらい。(中略)事業者側からすると消費税の納付額が増えて、資金繰りが苦しくなる。(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2~3店舗)

<外食需要を支える施策・支援を求める声>

・GO to eatなどの外食を促す施策も同時に行なって欲しいです。(東京都/フランス料理/1店舗)
・テイクアウトのない店舗に、支援金等を考えて欲しい(大阪府/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

<仕入れ面での恩恵に期待する声も>

・仕入れの税率が下がるので、助かる。売値と売る時の税率は変わらないので。外食控えになると厳しいとは思いますが。(東京都/洋食/1店舗)
・個人的にはいいと思う。免税店舗なので、仕入れ値が落ちプラスになると思う(福岡県/洋食/1店舗)

   

調査結果の引用時のお願い

・クレジットに「飲食店ドットコム(株式会社シンクロ・フード)調べ」と明記ください。
・WEB上で引用いただく際には、「飲食店リサーチ」 (https://www.inshokuten.com/research/company/)のリンク付与をお願いいたします。